時にはバチッ!いたい!とやっかいな静電気(せいでんき)ですが,この静電気をうまく使って,プラスチックカップを高速回転(こうそくかいてん)させる実験です。インターネットで「静電気モーター」・「フランクリンモーター」で調べると,ストローや塩ビパイプをティッシュなどでこすって静電気をつくり,アルミホイルに近づけることで,放電(ほうでん)によって静電気を送る方法がのっています。今回は「静電誘導(せいでんゆうどう)」という少しむずかしい言葉ですが,この原理を使った「静電気モーター」をしょうかいします。正電荷(せいでんか)と負電荷(ふでんか)の両方を利用しています。静電気の力がどのようにはたらいてモーターが回るのか,実験しながら説明していきます。
はじめに
姫路で科学工作クリエーターをしている上橋です。静電気でビュンビュン回転する「静電気モーター」を紹介します。
実験を見て!
塩ビ板をアルミホイルの上でこすります。すばやくはがして,反対側のアルミホイルの上にのせてこすると,回転します。
材料は?
スチロール板,カードケース,アルミホイルなど,いろいろありますが,すべて100円ショップで買うことができます。
材料
・スチロール板:カラーボード(450mm,300mm,厚さ5mm)・・・ダイソー
・カードケース:塩ビ製→マイナスに帯電(たいでん)しやすい。
・すべり止めシート
・アルミホイル
・アルミテープ
・プラスチックカップ:マヨカップ・・・ダイソー
・ぬい針:長さ50〜60mm(ここでは54mmを使用)・・・ダイソー補修用(ほしゅうよう)針
・ネオジム磁石:3個(直径6mm厚さ3mm)
・木製スティック:1本
・セロハンテープ
・両面テープ
入手方法
・すべて100円ショップで買える。
・一部は,ダイソー限定。
注意すること
・ぬい針でひふをささないように注意がいる。
・ネオジム磁石はパソコンや磁気(じき)カードなどに近づけないようにする。
・ネオジム磁石はとても強力なのでひふをはさむことがある。
・小さな部品が多いので小さな子の誤飲(ごいん)に注意する。
①材料の加工1:スチロール板、カードケース、すべり止めシート、アルミホイル、アルミテープをここにある寸法(すんぽう)通りにカットします。
②材料の加工2:スチロール板のうらにすべり止めシートをはります。スチロール板の表にしるしをつけ,中心に磁石を貼ります。
③組み立て方1:スチロール板の柱に,アルミホイルと塩ビ板(小)をはります。スチロール板の左右のしるしに,柱をはります。
④組み立て方2:アルミホイルの帯(おび)の上に半分におったアルミホイルをのせ,四隅(よすみ)を固定(こてい)します。アイス棒に,磁石を固定します。
⑤組み立て方3:プラカップにアルミテープ小をはります。プラカップのフタと本体の中心に,針を貫通(かんつう)させます。
⑥組み立て方4:磁石に,針あなの方をくっつけます。下の磁石と針先の間隔(かんかく),アルミテープとホイルの間隔をチェックします。
⑦片方のアルミホイルの上に塩ビ板をのせてこすります。すばやくはがしてとなりに移動(いどう)させ,またこするをくり返します。
⑧こすると,塩ビ板はマイナスに,アルミホイルはプラスに帯電(たいでん)します。塩ビ板をのせかえると,マイナス電荷(でんか)が移動します。
⑨やっかいな静電気ですが,うまく使えば,楽しく実験することができます。ネットで調べて,いろんな実験に挑戦してください。
【対象学年】既習内容や実験の難易度から考慮して、下記の実験ブースに★1つだと小学校5・6年以上、2つだと3・4年以上、3つだと1・2年以上が対象と考えています。もちろんその表示のみにこだわる必要はありません。